
整理収納アドバイザー1級試験は、1次試験(学科)と2次試験(実技)に分かれています。
実技試験の内容は、自分で決めたテーマに沿って、整理収納について研究発表をするというもの。

そう不安に思われる人もいるかもしれませんね。
この記事では、整理収納アドバイザー1級の2次試験のプレゼン作成や研究発表の準備について、ハウスキーピング協会の情報や経験談をもとに紹介します。

筆者の経験が、これから整理収納アドバイザー1級の2次試験の準備をしたいという人のお役に立てばうれしいです。
目次
2次試験のプレゼン作成のポイント
整理収納アドバイザー1級の2次試験のテーマは、【提案編】と【実践編】のどちらかを選んで研究発表をつくっていきます。
どちらのテーマにするのか決めることが、プレゼン作成の第一歩になります。

テーマ | 提案編 | 作業編 |
---|---|---|
対象者 | 第三者 ×同居の家族 | 自分以外の人 ○同居の家族 |
内容 | 対象者の問題に対して、整理収納の方法を提案する。 | 対象者の問題に対し、整理収納を実践し、その目的と効果を発表する。 |
実作業 | なくてもよい | あり |
未来の提案か、過去の実践かという違いがありますが、共通して押さえておきたいのは次の3つのポイントです。
ポイント
- クライアントの問題をはっきりさせること
- 問題を解決する工程をわかりやすく示すこと
(作業工程、意識改革など) - アドバイザー理論をどう使ったのか示すこと
上記の内容は、ハウスキーピング協会が公開している研究発表の制作の手引きに書かれていることなので、絶対にはずせないところですよ。

2次試験のプレゼン資料をくわしく紹介
- クライアントの抱える問題
- 問題を解決する工程(作業工程、意識改革など)
- どのアドバイザー理論を使ったか
ここでは、この3つのポイントを押さえるために、どんなプレゼンをつくっていったのかを具体的に紹介していきます。

プレゼン資料の概要(パワーポイントで作成)
作成する資料は、縦書き・横書き問わず、枚数についても指定はありません。
一般的に15分のプレゼンの目安は、文字数4500字・スライド枚数10~15枚と言われているそうです。
実際のプレゼン資料の概要
- スライドは10枚
- 使用した写真は9枚
ビフォー3枚、アフター6枚 - 文字は少なめで見やすさを重視
- 無料イラストを2枚使用
2次試験の持ち時間は20分間。私は、パワーポイントで10枚のスライドを作成しました。


写真が少ないところは、無料イラストを使ったり、表を載せたりすることでカバーしましたよ。
プレゼン資料の内容の構成例を公開
実際に作成したプレゼンの構成は次の通りです。
- クライアント情報
- ヒアリング内容
- 片づけ前の状態と問題点
- ステージ1→ステージ2の作業工程
- ステージ2→ステージ3の作業工程
- 整理収納後の状態
- クライアントの感想
- 実作業の気づき

ちなみに、資料を作成するときには、ユーキャンのテキストの事例紹介のページを参考にしました。
発表の内容は違っても、参考にするものがあると資料がつくりやすくなりますよ。
1.クライアント情報
整理収納アドバイザーの活動は、クライアントがあってこそ。
ということで、資料の1枚目では、下記のようなクライアント情報をまとめました。
- 家族構成
- 住まいの特徴
家族構成は、クライアントのライフステージやライフスタイルを知る第一歩。年齢や職業、自宅の使い方など箇条書きでOKです。
一戸建てなのか、賃貸なのか、収納力はどれくらいかなど、住まいの特徴もまとめておくと、クライアントの抱える問題につながりやすいですよ。
2.ヒアリング内容
次に、クライアントの基本情報を受けて、整理収納についての困ったことやお悩みをまとめました。
- お困りの点
- 依頼内容
- 片づけのテーマやゴール
具体例を挙げると、次のような感じです。
ヒアリング内容具体例
お困りの点
- ものが家中に点在して場所の把握がしづらい
- 玄関から自室までの動線にものが多い
依頼内容
- 玄関・客間に散らばっているものを整頓したい
- ものを整理して収納扉を開閉しやすくしたい
今回の整理収納のテーマ
家族も来客も快適に過ごせる玄関・客間の整理収納
ここで、整理収納の目的となるテーマやゴールをはっきりとさせておくのがおすすめです。
目的が決まると作業工程がわかりやすくなり、プレゼンづくりも楽になりますよ。

(私はそうでした…)
3.片づけ前の状態と問題点(写真3枚)
片づけ前の状態は、スライド2枚にまとめました。


ビフォー写真から矢印を引っ張って、具体的な整理収納の問題点を挙げています。
ご覧のとおり、文字数は少なめで、シンプルにつくることを心がけました。
4.ステージ1→ステージ2の作業工程(表)
作業工程は、ステージ理論に沿っていることがわかるように工程ごとにまとめました。
必要なものと不要なものを区別する工程は、作業に夢中になって写真を撮っていなかったので、表をつくることに。
表の例
整理整頓 したもの | 使用した理論 |
---|---|
ベビーベッド | ・整理の基本領域図 (プロパティ領域) ・もののストーリー |
お土産品 | ・5つの鉄則 (適正量の決定) ・もののストーリーとメモリー |


5.ステージ2→ステージ3の作業工程(写真3枚)
ステージ2からステージ3の使いやすい場所にものを収納する工程は、実際の収納スペースの写真を使って説明しました。

写真と収納するときに使った理論を箇条書きしたスライドです。
プレゼンをするときには、使った理論はもちろん、片づける前の状態やクライアントとどのような話をして最終的な収納に至ったかなど、具体的に話すように気をつけました。
6.整理収納後の状態(写真3枚)
それぞれの作業工程を終えた後のアフター写真も2枚のスライドにまとめました。

ビフォー写真との違いがわかりやすくなり、整理収納での空間の変化を伝えやすくなります。
私の場合は、作業編をテーマにしていたので、実際に片づけた効果も箇条書きでまとめました。
7.クライアントの感想(イラスト1枚)
作業や提案を通して、クライアントからの感想や変化があればプレゼンにくわえるのもおすすめです。


クライアントの感想が入ると、整理収納アドバイザーとしてクライアントの目的を達成できたことの説得力も増し、ご自身の実践や提案にも自信がもてますよ。
8.実作業の気づき(イラスト1枚)
終わりに、実作業を通しての自分の気づきと今後の抱負をまとめました。

- ヒアリングの大切さ
- クライアントの気もちに寄り添う整理収納
- 整理がもたらす効果など
それぞれに作業や提案をされる中で感じることがあると思います。
その気づきをエピソードと一緒に伝えることで、整理収納アドバイザーとしての心意気も伝えられるはず。

プレゼンまでに準備しておくこと3つ
スライド資料が完成したら、あとは研究発表のプレゼンを行うだけですね。
私の場合は、動画提出試験で誰にも見られない自宅で撮影したのですが、それでも緊張しました。
ここでは、資料を作成後、プレゼン本番までに準備したことをまとめています。
1.プレゼンの読み原稿をつくる
プレゼン1分あたり300文字を目安に、読み原稿をつくりました。
私の場合は、資料1枚あたりに400~500文字程度の内容を考えたので、全体の文字数は5000文字ほど。
ゆっくりめに話して、実際にかかった時間は約17分でした。
くり返しになりますが、必ず伝えたいのは次の3つの内容。
- クライアントの抱える問題
- 問題を解決する工程(作業工程、意識改革など)
- 使用したアドバイザー理論
これらの内容を伝えるために、以下のような視点で発表内容を見ていきました。
- クライアントの意思を尊重しているか?
- クライアントの目的とプレゼンの内容がずれていないか?
- 具体的な工程をアドバイザー理論にもとづいて説明できているか?

2.時間を測ってプレゼン練習する
整理収納アドバイザー1級試験の研究発表の持ち時間は20分間。
動画提出試験の場合は、YouTubeのアップロードの関係で15分以内でもよいことになっています。

- 話すスピード
- 目線
この2点を意識して何回か時間を測ってみましょう。
目線は意識しつつも、本番では発表原稿をかなりチラ見してしまいましたが、無事に合格できましたよ。

3.発表の道具や服装を整える
- スケッチブック・写真などの提示資料
- 発表本番の服装など
プレゼン当日の準備もお忘れなく。
発表では、スケッチブックなどの提示資料も使えるので、早めに用意して練習しておくと安心です。

服装は、きれいめの服装にジャケットというややカチッとしたスタイルで臨みました。

まとめ:発表資料には実践と理論の両方を必ず取り入れよう!
この記事では、整理収納アドバイザー1級の2次試験のプレゼン作成や研究発表の準備について、ハウスキーピング協会の情報や経験談をもとに紹介しました。
研究発表の資料は、縦書き・横書きどちらもOK、手書き・パソコンどちらもOKとかなり自由度が高いので、その分、資料づくりに悩んでしまう人もいるかもしれませんね。
記事の中では、私の発表をもとに具体例を紹介しましたが、最終的にはご自身の実践や提案を伝えやすい形を選べば大丈夫です。
ただし、整理収納アドバイザーの試験として作成する発表なので、次の3点は必ず押さえておきましょう。
プレゼン作成のポイント
- クライアントの問題をはっきりさせること
- 問題を解決する工程をわかりやすく示すこと
(作業工程、意識改革など) - アドバイザー理論をどう使ったのか示すこと

